【トヨタのEV戦略で思う】カーボンニュートラルとエネルギー問題

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トヨタは、水素で走るFCV(燃料自動車)をEV(電気自動車)の対抗馬として開発を続けていました。

今年5月、富士スピードウェイで行われた24時間耐久レースに豊田章男社長もドライバーの1人として水素エンジン車で参戦し、
「脱炭素社会に向けた選択肢を広げる第一歩を示せた」
と語ったのは記憶に新しく、とても印象に残っています。

他社がEV一択で進んでいる中、他の選択肢として開発を進める姿に、エンジニアとしては共感しますね。

僕としても、「脱炭素=EV」という流れに、どこか合点がいかないところがありました。
だって、発電に凄い化石燃料使ってるでしょ?
って思うんです。

このサイトによると、日本での火力発電の割合は、2014年で87.9%、そこから減少傾向ではあるものの、2020年で74.9%です。
ほぼ化石燃料を燃やして発電しているんです。

原子力ももうこの先発展はしないでしょうし。。。

また、このサイトは、製造段階でのCO2排出量も考慮した数値を提示してくれています。
EVがガソリン車よりCO2排出量で優位になるには、11万kmも走行しないといけないそうです。

だけど、
それでも、EV化への動きはもう止まりそうにないですね。

テスラの創業者イーロン・マスク氏も言っています。
「水素時代はやってこない」と。
まぁこれはポジショントークも含まれているとは思いますが。

一方トヨタの方も、若干軌道修正したようです。

トヨタEV戦略:豊田章男社長が「各国エネルギー事情の違い」に言及した理由…「日本のエネルギー失策」が招いた「後ろ向き」批判

世の中の流れには逆らえなかったということかな~
と思いましたが、違いましたね。

記者会見の中で、「他社のようにEV100%と言わないのはなぜか」との質問がありました。

逆に他社はなぜEV100%に走っているのかというと、選択と集中をする必要があるからだと思います。
経営効率を上げるためです。
その点、トヨタの方はというと、選択と集中をする必要がなく、全方位戦略を打てる。
これは、現在のような世界一のシェアを誇り、圧倒的な利益を上げているトヨタだからこそできる戦略だと思うのです。

あと、この記事で僕が個人的に気になったのが、各国のエネルギー事情と電気自動車の普及率です。

グラフも掲載されていますが、EV先進国のノルウェーは、EV比率が70%を超えています。
そして注目すべきは、発電方式の割合です。
ノルウェーでは、なんと9割以上を水力発電で賄っているのです。

これだと合点がいきますね。
EV車の普及が、カーボンニュートラルに直結します。

このようなエネルギー事情や、インフラの普及状況などを踏まえると、トヨタが執っている全方位戦略は、隅々まで取りこぼしなく自社製品を広めることができるのですね。

いや~参りました。
さすがトヨタです!

バッテリーEV戦略に関する説明会と記者会見の動画のリンクを張っておきますので、是非見てみてください。
きっとワクワクしてくると思います!

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