「ゼネラリストは転職できない」という噂もありますが、結論から言うと、ゼネラリストでも転職できます。
これは転職の本質部分になりますので、「ゼネラリストは転職できない」と言われる理由と合わせ、説明していきたいと思います。
転職を考えている方もそうでない方も、知って損はないと思いますので、ぜひ読んでみてください。
スペシャリストかゼネラリストか
まず、スペシャリストかゼネラリストかの2択論でどちらかを選ぶなら、ゼネラリストを選ぶべきだと僕は思います。
こちらの記事「汎用性の高いスキル」にも通じるのですが、
近年は、業務の専門化が進んでいて、自分の守備範囲が狭く守備範囲外のことは全くわからないという人が多くなっています。
その原因の一つに、従来の「総合職」としてジョブローテーションを行っていた時代と、キャリア形成の考え方が変わってきたということが挙げられます。
これが良いことか悪いことかという話になるのですが、凡人サラリーマンが生き残るためにとる戦略としては、スペシャリストでは難しいと思うのです。
これは前提条件や、自身の志向性によって変わってくるとは思いますが、僕も含め、凡人が転職可能なスペシャリストを目指すと、詰んでしまう可能性が高くなると思うのです。
そう思う理由を、まずは極端な例からお伝えします。
以下の3つです。
- 専門性が高いと、その道を究めないといけない。→研究者向け
- 専門分野の選び方で運命が決まる。→運や超絶先見性が必要
- 出世し難い→致命的
例えば、事業がとん挫して、事業撤退・倒産になったらどうしますか?
専門性が高いと転職先は選択肢がかなり少なくなります。
その道の世界的権威であれば話は別ですが、皆がそうなれる訳ではありません。
また極端な話をすると、石油化学や原子力の技術者は、例え世界的な権威であっても、先は知れています。
これから参入すべき分野ではありませんよね。
だから、分野選びを間違えてはいけないわけですが、10年先を読むのさえ難しい時代に、どうやって選びますか?
普通の人は、どれを選んでいいか分からず、身動きが取れなくなってしまうのではないでしょうか。
更に40歳を超えていたらより転職は難しくなります。
採用側のニーズは、40代以上ならやはりマネジメントスキルを求められます。
逆に、幅広く対応できるゼネラリスト志向でマネジメント経験があると選択肢はかなり増えます。
近年、団塊の世代の定年で、ポストが空いている会社が増えてきており、そういった求人(所謂ハイクラス求人)が活況です。
そういう状況をみても、やはりゼネラリストの方が安定感というか、将来性があるなと思うのです。
その道の権威になれるようなスペシャリストなら話は別です。
自分で起業して成功できるような人なら話は別です。
世の中、起業しようとかフリーランスになろうとか盛んに言われています。
そういう人たちは、自分の事業で活躍し、情報発信もしていてその賑わいを見る人にある種の希望を与えていると思います。
そして
「自分にもできるかも!」
と思わせます。
でも、実際に成功する人はどれくらいいるでしょうか。
起業やフリーランスは、選択肢の一つにすぎません。
以前は、多くの人がサラリーマンになっていましたが、現在は多様化が進んで、他の選択肢も一般的になってきたというだけのことです。
難易度が上がってしまったキャリア形成の型
少し話が逸れてしまいましたが、起業もフリーランスも選択肢の一つであり、向き不向きがあります。
だから、「サラリーマンはオワコンだから、皆で独立しようぜ!」という風潮は危険なのです。
ゼネラリストの話にも似たようなところがあります。
確かに、最近は「ジョブ型雇用」が一般的になりつつあります。
実際に求人情報を見ても、経験者や、スキルを求められるのがほとんどです。
だからと言って、
「ゼネラリストではなく、スペシャリストを採用します」
と言っているわけではないのです。
もっと言うと、ただのゼネラリスト(器用貧乏)、ただのスペシャリスト(専門バカ)ではダメということです。
本質部分が抜け落ち、「ゼネラリストはダメ」という上っ面だけが独り歩きしているのです。
こちらの記事にも書きましたが、今はゼネラリストかスペシャリストかの2択論ではないのです。
【キャリア戦略】複雑化するキャリア形成の型【ビズリーチに学ぶ】
企業に求められるキャリア形成の型は、より複雑に、より難しくなっているということです。
凡人が狙う最もイージーな戦略
それを踏まえて考えた時、スペシャリストを目指すなら「その道の権威になれない」「将来性が約束された最先端技術を身に付けていない」ような凡人にとって、出世が最もイージーであり、出世こそがとるべき戦略だと思うのです。
「社畜」とバカにされる風潮もありますが、僕はそうは思いません。
社会に役立つ立派な仕事です。
「社畜」でも、自信を持って胸を張って進んでいきましょう。
また、その前提として、若い頃に専門性を徹底的に磨いておくということは非常に有効な戦略となります。
自分の専門性(その道の権威である必要はない)
+会社全体を俯瞰できるバランス感覚
といったところでしょうか。
これに+チーム(組織)運営の経験があると言うことないです。
そして、管理職を狙うのです。
「出世がすべてではない」
と言われるかも知れませんが。
生き残りのためにもっともイージーな選択であり、凡人にとって唯一の方法だと思うのです。
ここで言っている管理職ですが、従来型の管理職ではダメだと考えています。
最近は組織のフラット化が進み、縦の階層が減少傾向にあります。
それに「人や仕事の管理」は自動化されていきますので、管理職というより、リーダーの方が近いのかも知れません。
チームの成果を最大化することが要求されると思ってください。
こちらの記事も参考にしてみてください。
スペシャリストの危うさを感じることができると思います。
【あなたは大丈夫?】10年後になくなる仕事と今やるべきこと
ゼネラリストとなるも 器用貧乏となるなかれ
ここでひとつ注意点。
ジェネラリストとなるも、器用貧乏になるなかれ! https://t.co/unxJvV2NbS
— ニルヴァーナ~空~ (@Nirvana_kuu) November 7, 2021
ジェネラリストを目指そう!
と思っても、器用貧乏になってしまう人いますよね。
器用貧乏にならないためには。。。
やはり、まずはひとつのことを徹底的にやり込んで極める。
その時に、表面的な部分ではなく、根本的な分を見極めることが重要です。
その根本的な部分≒本質をつかみ、そこを身に付けるのです。
本質は分野が変わっても応用できるものです。
だから、本質をつかむと横展開が早くなるのです。
与沢翼さんが著書「ブチ抜く力」で言っている“センターピン”です。
与沢さんは天才なので、再現性のない思考と思いがちですが、このセンターピン思考は、非常にシンプルで、誰でも努力(習慣と言った方が正確かも)次第で身に付くスキルだと思います。
凡人こそ、センターピン思考でゼネラリストを目指しましょう!
今すぐやるべきこと
転職するしたいに関わらず、転職活動をやるべきだと考えています。
理由は、
- キャリアの棚卸しができる
- 自分の市場価値がわかる
- キャリアプランを立て、行動方針が決まる
- 視野が広がる
など、いいことしかありません。
ざっと挙げましたが、もっとメリットはあるはずです。
逆にデメリットはというと、少し時間を取られるということくらいでしょうか。
ただなんとなく仕事をするより、目標を決めて取り組んだ方がワクワクして、やりがいを持って仕事ができます。
1日の内、1/3~半分は仕事をしているわけですから、人生が豊かになりそうじゃないですか?
人生が豊かになるなら、少し時間を取られても、それ以上の価値を得られると思います。
もちろん、転職活動をするといっても、転職しなければならないわけではありません。
転職はあくまで手段であって、目的ではないのです。
転職活動の結果、現職がベストだという結論に至ることは大いにあり得ます。
終身雇用は完全に崩壊し、ジョブ型雇用にシフトしてきています。
自分のキャリアビジョンを描くことが必須の時代になりました。
自分の将来のための投資だと思って、今すぐに動きましょう。
こちらの記事も参考にしてみてください。
市場価値を高めるためのキャリアの棚卸しをやろう【年末の振り返り】
失敗しないエンジニアの転職の手順【実体験を基に7STEPで解説します!】
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