GMのカーボンニュートラル達成への本気度がすごい

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はい、今日も大好きなカーボンニュートラル案件です。

2021年9月30日、米GMは
「2025年までに米国の全拠点において100%再生エネルギーを調達できる予定」
と発表しました。

2016年発表の「2030年目標」に対し、5年前倒しでの達成見込みということになります。

この前倒しした5年間で、100万トンのCO2排出量を削減できるとのこと。
すごい量ですよね。

また、自家発電で賄うという発想がすごいです。

トヨタは、国のエネルギー政策に対してプレッシャーをかけていましたが、日本では土地の問題もあり中々難しいので、簡単にマネできるものではありません。

それをやってしまうのは流石だなと思いますね。

「何が何でもカーボンニュートラルを達成するんだ!」
という意気込みを感じます。

【参考記事】
GM、米拠点の100%再生可能エネルギー化を5年前倒しで達成

【過去のカーボンニュートラル関連記事(内部リンク)】
ゼロカーボノミクスにむけた日本の取るべき戦略とは

カーボンニュートラルとエネルギー問題(鉄鋼業界編)

【トヨタのEV戦略で思う】カーボンニュートラルとエネルギー問題

課題と解決策について考察してみる

GMの再生可能エネルギーへの取り組みは4つあるので、それぞれについて考察してみたいと思います。

生産活動のエネルギー効率の向上

原文:
Increasing Enargy Efficiency
Reduce energy consumption at our facilities

エネルギー効率の向上ということで、早い話、省エネですね。

サプライチェーン全体でみるとかなりのボリュームになりますが、それゆえに効果も高くなります。

既存設備も省エネ仕様に改造するのか、どのような手段を使うのか大変興味があります。
生産技術者の真価が問われますね。

ところで、作業者の呼気に含まれるCO2はカウントするのでしょうか??

再生可能エネルギーの調達

原文:
Sourcing Renewables
Source through direct investment,green tariffs,and power purchase agreements

どうも100%自家発電にするわけではなく、外部からの購入による調達も含まれているようです。

やはりそれが現実的なのでしょう。

技術的には特に問題はなく、太陽光パネルの設置スペースが一番問題になると思います。

蓄電システムなどによるエネルギー供給の断続性の改善

原文:
Addressing Intermittency
Mitigate against gaps in renewable energy transmission

自然エネルギーを使うとなると、どうしても安定供給が難しくなります。

例えば太陽光の場合、夜間はもちろん、曇っていても発電できません。

この問題を解決するため、GM自ら新しいエネルギー貯蔵技術を開発しているそうです。

本気度MAXですね。

再生可能エネルギーの導入を支援する政策提言

原文:
Policy Advocacy
Work to drive down costs and increase renewable energy opportunities

「政策提言」と訳されていたので、政府への働きかけかなとも思いましたが、原文から察するに、「方針」ですね。

「コストダウンして再生可能エネルギーの使用量(率)を増やしていく」
と解釈しました。

ビジネスでやる以上、コスト削減は永遠のテーマですから、
「カーボンニュートラルにコストをかけたことにより、自動車が高くなり、お客さんに迷惑をかけるようなことにはしない」
との宣言だと思います。

ここからもGMの決意が読み取れます。

今後の展望を予想してみる

初期は、電力会社がGMに優先的に再生可能エネルギーを供給するような措置を取ってくれるかも知れませんが、いつまでも続くわけではありません。

発電能力確保については、工場の屋根や空き地に太陽光パネルを敷き詰めるのが手っ取り早いと思います。

あとは、工場設備の電動化でしょうか。

技術的に大きな課題はなさそうですが、操業を停止して改造するのか、新設ラインを入れるのか。
いずれにせよ、お金と時間がかかりそうです。

日本でやるとなると、発電能力確保がネックになりますね。
超高効率の太陽光パネルを開発するか、カーボンリサイクル技術に力を注ぐか
後者の方が現実的かも知れません。

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