ここ最近、カーボンニュートラルについて勉強しています。
エネルギー源の多くを化石燃料に頼っている日本において、大変深刻な問題です。
でも、日本はこの問題を技術力でクリアできると信じています。
僕は製造業界に身を置いていますが、これからの日本の製造業は「ハードへの回帰と生産技術」だと思っています。
また、業界としては、材料・素材系が技術的にも経済的にもリードしていくのではないかと予想しています。
そして、カーボンニュートラルやエネルギー問題を解決していくことを願っています。
前置きはこれくらいにして、本題に移ります。
材料の話にもつながるのですが、鉄鋼業においても日本の技術は優れています。
※経営面においては課題もあるので、これについては別の機会に考察してみたいと思います。
鉄材の需要はなくなることは考え難いので、コモディティ化さえ気をつけておけば、将来性のある業界だと考えています。
しかしながら、カーボンニュートラルに対してはかなり厳しいんだろうなぁと思っていたら、こんな記事を発見しました。
すでにカーボンニュートラルに向けて動いているとのこと。
水素を還元剤に利用したプロセスを開発中で、日本が一番乗りになりそうですね。
生産量で断トツ世界一の中国ですが、カーボンニュートラル宣言していませんから、恐らく技術開発は他国に任せて、確立した技術を後で取り込もうという考えなのでしょう。
この流れで日本がイニシアティブを取れると良いですね。
こういうニュースを見るとワクワクしてきます。
因みに、現状のプロセスでは、鉄鉱石の還元剤にコークスを使用しています。
参考サイト(経済産業省 資源エネルギー庁)
水素を使った革新的技術で鉄鋼業の低炭素化に挑戦
しかし、ここで気になるのは「水素利用」になってきます。
水素を作るのに電気が必要ですので、現在の日本のように殆どの電気を火力発電に頼っているような国の場合、どのように発電するかというのが課題になってくるわけです。
水素の作り方についてはこちら(経済産業省 資源エネルギー庁)
次世代エネルギー「水素」、そもそもどうやってつくる?
水素を製造プロセスによって3種類に分類しているようです。
- グレー水素:化石燃料をベースとしてつくられた水素
- ブルー水素:製造工程のCO2排出をおさえた水素
- グリーン水素:再生可能エネルギー(再エネ)などを使って、製造工程においてもCO2を排出せずにつくられた水素
グレー水素を使ってしまっては、カーボンニュートラルが実現できませんので、グリーン水素を作るための再生可能エネルギーの確保が必要になってくるということですね。
日本においては、風力・水力・地熱は限定的にしか確保できませんから、太陽光の発電効率向上と、設置面積の確保がマストになります。
建物のルーフトップ設置が義務化されるかも知れませんね。
参考資料(公益財団法⼈ ⾃然エネルギー財団)
2050年カーボンニュートラルへの提案-自然エネルギー100%の将来像
カーボンリサイクルの技術も開発中のようで、大変興味深いです。
CO2削減の夢の技術!進む「カーボンリサイクル」の開発・実装
代替コークスの話
コークスに話を戻します。
代替コークスは、水素以外にも検討されているようで、環境的にはバイオコークスが面白いですね。
バイオコークスとは、光合成に起因する全ての植物から形成できる固形燃料の総称である。従来のバイオマス燃料では困難であった、圧縮強度が高く、高温環境下での長時間燃焼が可能、また、製造時に廃棄物を出さない特性等を有しており、石炭から作られるコークスの代替燃料として使用可能な「ゼロエミッション燃料」である。
※Wikipediaより引用
バイオコークスは、茶かす、枯れ葉、もみ殻などのバイオマスを原料として製造されるだけでなく、バイオマス原料1kgからバイオコークス1kgを作ることができ廃棄物を出さないそうです。
製造プロセスでも煙や蒸気を出さない環境にやさしい次世代エネルギーとして大変注目されています。
循環システムを考えると、理想的な技術ですよね。
気になるのは需給バランスでしょうか。
現在使用している化石燃料からそっくりそのまま置き換えることはできなさそうです。
だから、前出の自然エネルギーとの併用が必要になってきますね。
色んな課題がありますが、「ピンチはチャンス」でどんどん新しい技術が生まれてきます。
エネルギー問題を契機に、日本の産業が復興することを願います。
頑張ろう!
こちらの記事も良かったら読んでみてください!
コメント